『ステラ・ステップ』2巻と会いました。
お久しぶりです。キムです。
2023年4月にMF文庫Jより発売された『ステラ・ステップ』2巻の感想について、書こうと思います。
1巻の明るいの表紙とは打って変わって、『鉄の国』の暗く重い感じが伝わってくる表紙ですね。
《あらすじ》
〈暴力〉に置き換わる〈道具〉として少女たちが戦う世界。
レインはハナの真実に心がついていけず、彼女とまっすぐに向き合うことができずにいた。
彼女の心とは無関係に、戦舞台で敗北した2人を『鉄の国』へ運ぶ心動車。
だが、彼女たちを乗せた車は突然止まり、1人の少女を降ろして再び動き出す。
「と、止まって……置いてかないで……」
ハナと離ればなれにされてしまったレインはひとり、悩みながらも〈道具〉として歌い、踊る。
一方、研修生としてレインと引き離されたハナにも笑顔の裏に知らなかった感情が芽生え――。
紅く暗い『鉄の国』。
“彼女”が隣にいない世界で、キラキラを探す少女たちが紡ぐ絆と愛の物語。
絶望的な世界で1人頑張る、少女たちの物語
読み終えてから改めてあらすじを見ると、
“彼女”が隣にいない世界で、キラキラを探す少女たちが紡ぐ絆と愛の物語。
という一文に、作品を読む前と違った印象を受けました。
もちろんこの一文は、『砂の国』に着くや否や、離れ離れになってしまったらレインとハナについて書かれているものだと読み取れます。
しかし、「"彼女"が隣にいない世界」に身をおいているのは、何も二人に限った話でないです。
その”彼女”とは誰か。
それは、かつての親友だったり、あるいは憧れの先輩だったり。
大切な人が隣にいなくて、それでも一人で頑張る少女たちと絶望に満ちた世界のお話でした。
ここが面白かった!
1巻はレインの目線で語られていくのに対して、2巻では前半は引き続きレイン目線、そして後半は『鉄の国』のアイドル・フレアの目線で物語が進んでいくのが、新鮮で面白かったです。
これまで『鉄の国』の代表として戦ってきたフレアは、いったい何を思いながら過ごしているのか。何を心の支えとしてきたのか。そういった内面を読んで知っていくうちに、段々とフレアという一人の女の子が好きになっていきました。
ひょっとしたらフレアとレインが手を取り合って、いい感じに世界を救ってくれるのでは?と希望を抱いていたら、
読者である私自身が星眩みになりそうでした~~~
ハナと触れ合っているときのフレアの感情があまり良くない方向に向いているのは薄々と感じられましたが、それでも何か、逆転の一手があるのではないか。最後の一文を読むまで祈り続けて、そうして2巻を読み終えたときの絶望感は1巻以上でした。
これぞ、これがステラ・ステップという作品から味わえる感情、といった感じでした。
フレアを目指してアイドルになり、
フレアを支えたくてその名を付けた希望の
また、『砂の国』に現れたファンの女の子たちの正体は?
1巻以上に続きが気になる2巻でした。
それと、個人的に一番好きだったのは、レインの自由曲のタイトルです。
1巻でレインとハナがユニットを組んだときに付けられた「
余談ですが、ランタンの髪がフレアと同じ位置で結われているように見えるので、本当にフレアのことが好きなんだなというのが伺えます。
最後に!
感情を叫ぶことで作者様の力になれるというのであれば、いくらでも叫び、祈りましょう。
ではでは、さよならー。